works (art)

VOYAGER

[さいたまトリエンナーレ2016]
2016.9.23-12.15(旧民俗文化センター)

[ビオクラシー 〜"途方もない今"の少し先へ]
2018.2.24-3.25 (はじまりの美術館)

それは小さな、
遠い世界からのプレゼントで、
われわれの音、科学、
画像、音楽、考え、感じ方を表したものだ。
私たちの死後も、本記録だけは生き延び、
皆さんの元に届くことで、
皆さんの想像の中に再び
私たちがよみがえることができれば
幸いである。

ジミー・カーター

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voyager2011.net

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「記憶がまるで塗りつぶされていくような気がする。
新たな歩みのために必要な舗装のように。まるで何事も無かったかのように」

Voyager2011 は、想いと時間のアーカイブを試みる。

福島にまつわる人々の声、自然音や環境音、奏でられる音楽、思い出の品々。
それらを世代を超えて残す可能性を探った。

思い出の品は福島の会津で縄文から続いてきた「漆塗」の技法で包み、
実質的な品物の保護と、漆塗りという価値の付加による伝承を図る。

そしてまた、漆でのコーティングは放射性物質の飛散を防ぐ目的も併せ持つ。

個々に違った出身地や立場から発せられる、小さな声たち。
それらの囁きは混ざり干渉しあい、
こちらから声に耳を傾ける行為なしには、聴きとることは出来ない。

流れる音には2011年からの5年半の日々の片鱗が37分間に散りばめられている。
あの日、もしかしたら続いていたかもしれない日常のカケラ。
「思い出」となった品物。

漆でコーティングされた内側に付着している放射性物質は、時を経たとき、
その半減期により、いつ、何が起きたのかを知る手がかりとなるだろう。

※1977年に打ち上げられた無人宇宙探査機ボイジャーには「地球の音」(The sounds of Earth) というタイトルの金メッキされた銅板製レコードがついており、そこには地球上の様々な音や挨拶や自然音、効果音、画像などが収録されている。これは、ボイジャーが太陽系を離れ他の恒星系の惑星に住むと思われる地球外知的生命体によって発見され、解読されることを期待して、彼らへのメッセージとして積み込まれたものである。ゴールデンレコードのカバーはアルミニウム製で、その表面は、超純粋なウラン238で覆われている。ウラン238の半減期は45.1億年で、このレコードを受け取った文明は、同位体組成を解析することにより、いつごろ収録されたかが分かるようになっている。

photo: ujin Matsuo

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